Space X、火星移住構想に新型ロケット – 日経テクノロジーオンライン



 2017年9月に起きた宇宙関連ニュースをまとめた「宇宙ビジネス通信」をお届けします。9月も、国内外から宇宙ビジネスの新時代を報じるニュースが数多く配信されました。ここでは以下の5つをピックアップして解説します。

【1位】火星移住構想に低コストの新型ロケット、50t載せて往復可能

 2017年9月30日、オーストラリアのアデレードで開かれていた国際宇宙会議「IAC2017」において、米Space X社のCEO、Elon Musk氏は、火星移住構想に関する最新情報を発表しました。

 2016年9月号でも紹介しましたが、当時の構想では、火星移住構想で利用されるロケットは、アポロ計画で利用されたSATURN Vロケットよりも大型のものを予定していました。カーボンファイバーを使った設計で、ラプターエンジンが42個搭載され、真空推力138MNというものです。高さは122mにもなるといいます。

 今回発表されたロケットは、「BRFロケット」と呼ばれるものです。全長48m、直径9mで、50tのペイロードを載せて地球―火星間を往復することができます。現在の主力輸送機であるFalcon9ロケット、Falcon heavyロケットなどを近い将来、BRFロケットに集約させるようです。

 BRFロケットの打ち上げコストは、Falcon Heavyロケットよりも格段に安くなるようで、2022年には、火星へのカーゴ輸送ミッションを2回実施し、2024年には火星有人ミッションを実現させる計画とのことです。

Space X社のBRFロケットのイメージ

(出所:Space X社のホームページより)

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 また、同じくIAC2017においてElon Musk氏は、BRFロケットを使って、宇宙旅行のみならず、東京―ハワイ間を30分で結ぶような高速旅客サービスについても提案しています。世界中の大都市間を1時間以内で結ぶという構想です。Space X社の宇宙ビジネスにおける発信力と構想力には驚きます。

Space X社の「Earth to Earth」高速旅客サービス

(出所:You tubeに掲載されたSpace Xの広報ビデオより)

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 なお、Elon Musk氏が事業展開している米Solar City社の太陽光発電や蓄電技術、米Tesla社の電気自動車、さらには自動運転車や真空チューブによる新輸送システム「Hyper Loop」などの開発案件は、すべて火星での移住計画に欠かせない要素技術になっているのではないかと、筆者は考えています。




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