日本海ルート創出へ – 福井新聞



敦賀港の観光活用に弾み

2017年10月20日 午前7時30分

 【論説】敦賀市は、江戸時代に北前船で栄えた新潟市などと連携してフェリーやバス、鉄道で日本海の主要な観光地を結ぶルートの創出を目指すことになった。船での旅行は、ゆったりと旅を楽しむ外国人や国内シニア層を中心に人気が高まっているといい、今年2度の外国大型クルーズ客船を受け入れた敦賀港の観光活用に向けて一層の弾みがつきそうだ。

 ルート創設には敦賀、新潟市のほか舞鶴、豊岡市と交通事業者のWILLER(大阪府)が発起人に加わっている。来年初めに協議会を設立、春を目標に統一ウェブサイトでプロジェクト商品の第1弾を販売する目標だ。

 政府は観光振興を成長戦略の一つに掲げているものの、訪日外国人はゴールデンルートといわれる太平洋側に集中している。東京や大阪、京都などで6割を占め、日本海側に多くは訪れていないのが現状だ。課題として太平洋側と比べて交通網がよくないことが指摘されている。それぞれのポテンシャルは高いものの、まちや観光地が連携するテーマが乏しいといった声もある。

 敦賀と新潟は既にフェリーの航路があり、長距離バスや鉄道、京都丹後鉄道と組み合わせて舞鶴、豊岡市などとつないで旅行商品をつくれる可能性がある。協議会には北前船の寄港地だけでなく、ほかの市町にも参加を呼び掛ける。さまざまな観光地が存在することで、旅行のバリエーションが広がり、観光ルートとしての魅力がさらに向上するだろう。ゴールデンルートに対抗できるような存在になってほしい。

 移動手段としては2023年春の北陸新幹線開業後は一層選択肢が増えるだろう。バスやタクシーといった既存の交通、宿泊、飲食、観光施設の事業者の参加によって地域振興につながることも期待したい。

 敦賀港には9月と今月14日に「ダイヤモンド・プリンセス」が寄港した。客船での旅行は夜間に移動し目的地に到着できるといったメリットがあり、今後もさらに人気が高まることが見込まれる。

 今回の北前船をテーマにした取り組みは、港の一層の利用促進につながるだろう。ただ、単なる寄港地では地域経済にメリットはない。多くの旅行者に滞在してもらえるように、敦賀の観光資源を磨く必要がある。

 日本遺産「北前船寄港地・船主集落」の認定を機にスタートしたプロジェクト。江戸時代、北海道や日本海側の主要な湊(みなと)からさまざまな物資が運び込まれ京阪へと陸送されたように、海路と陸路を組み合わせた今回の取り組みで敦賀がにぎわうことを期待したい。

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