国境の島に国家が示すべき誠意 – WEDGE Infinity



 コルシカにホテルを予約しておやと思った。現地に来てたばこを買ってハタと気がついた。フランスの本土と比べて税金が格段に安いのだ。英仏海峡にあるジャージー島は、英国に帰属するが、ドイツ軍に占領されていたことある。こちらは、投資に関する税が軽減されている。国境の島には、国家的な誠意が尽くされるのが普通のようだ。

コルシカ島(Medioimages/Photodisc/iStock)


 朝鮮半島からミサイルが日本海の排他的経済水域に飛ぶ。対馬に韓国資本が進出する。尖閣や北方領土の問題も意識の中にある。しかし日本人一般には、国境の意識が低いのであろう。逆にだからこそ海外で国境通過に一番興奮するのが、我々なのかもしれない。


 その昔、樺太にはソ連との国境があった。そこを突破した有名女優がいたが、現在の日本には陸上の国境はない。したがって、スタンプを押してもらうと、夏休みのラジオ体操の時のような喜びがある。


 そんな領土意識が薄い我らも、国境の島、対馬で韓国系企業が土地を買い漁ることで不安を感じ始めた。2016年に「有人国境離島地域の保全および特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法」が成立している。


 世界でも一番美しい場所の一つといわれるコルシカだが、イタリアのサルジニア島との国境の島だ。コルシカ最南端のボニファシオからは、サルジニアまで10km程度距離で、コルシカに来た観光客は日帰りで、イタリア・サルジニアの街を訪ねることができる。


 同様に、英仏海峡というよりも、フランスの沖合に英国に属する島がある。英国本土からは200キロも離れているが、フランスからは東京・立川の距離にあるのが有名なジャージー島だ。乳牛やシャツの生地でも有名な島。フランス沖とはいえ、英語圏であり、しきたりも英国風だ。こちらもフランスから日帰り旅行ができる距離でもあり、タクス・ヘイブンでもある。往時金融機関が軒を並べる目抜き通りがあったが、今は知らない。


 コルシカ島も、ジャージー島も自然いっぱいの観光地としての魅力となっている。フランス人もイギリス人もそれぞれの島行くのを楽しみにしている。


 翻って、日本はどうであろうか。朝鮮半島が目視できる島、対馬や隣の壱岐に行くだろうか。壱岐と隠岐の違いも心許ないのであろう。新幹線の新山口で乗り換えの特急スーパーおき号があるが、「特急壱岐、松江まで大人2枚」「?」「特急隠岐ですね。」という会話を聞いたことがある。ことほど左様に、多くの日本人は日韓国境の島に感心が低いようだ。


 特に対馬。大陸からの文化はここを通り、元寇や、日露戦争では海戦の舞台となった。日本海海戦と呼ぶのは日本だけだ。世界の海軍士官学校では必ず対馬沖海戦(Battle of Tsushima)と呼んで詳細に学んでいる。


 そんな日韓国境の対馬に対して、李承晩ラインで有名な戦後直ぐの韓国大統領は島の領有権を主張したが、すぐに発言が止んだそうだ。


 元々対馬藩主の宗家は日本と朝鮮の間に立って、鎖国時代の日本をうまく生き抜く努力をしていた。秀吉の出兵問題を片付け、徳川幕府にも顔を立てた。同時に自らは日朝貿易の恩恵を受けながら朝鮮通信使の窓口として対応、その過程で宗家の墓石が貿易量拡大に比例して巨大になっているのをみることができる。


 間違えがあれば教えてほしいが、最大の難関は李氏朝鮮との関係再開のためのお詫び文であった。事実を簡単に言えば国書の偽造があったのだ。また、それを幕府に密告する事件まで起きている。


 しかし、無理難題であることを徳川幕府自身が認識していたのだろう、宗家にはお咎めなし。むしろ密告者に厳しいものであったようだ。


 現在の外交問題にも通じる数々の問題を乗り切ったのが壱岐・対馬でもある。そんな美しく歴史のある島で朝鮮通信使が滞在したような居心地のいい寺にも泊まることができる。「離島法」のお陰で安く泊まれるのかと早合点したがそうでもない。





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