中学存続へ離島留学 鳥羽・答志島が来春実施 – 中日新聞



ポスターを手に離島留学を呼び掛ける浜口さん(右)ら=鳥羽市役所で

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 男子が他人の家で寝泊まりする風習「寝屋子」が伝わる鳥羽市の離島・答志島で来年四月、都市部などの小中学生を受け入れる「寝屋子の島留学」が始まる。豊かな自然に囲まれた学習環境を提供するとともに、深刻な少子化に歯止めをかけ、地元の学校存続につなげる狙いだ。
 受け入れるのは、子どもが島の里親と暮らす「里親留学」、家族で移住する「家族留学」、島の祖父母と暮らす「孫戻し留学」の三形態。市教委がモデルケースとして募集し、地元の町内会などでつくる留学実施委員会が運営する。島根、長崎、沖縄県などでも行われているが、中部地方では初とみられる。
 背景には、島の答志中学校の廃校を盛り込んだ市小中学校統合計画(二〇一五年策定)がある。同校は、二二年三月末に生徒数が規定の三十人を下回るとみられ、市営定期船での通学が必要な本土の鳥羽東中への統合が計画されている。
 島民らは昨年末、中学校の存続を求める千二百人余の署名を市に提出。規定の生徒数を維持するため、島留学受け入れの方針を打ち出していた。実施委の浜口正久会長(49)は「島の活気のためにも中学校は必要。留学の子どもたちが根付けば漁業の後継者としても期待できる」と話す。
 募集定員は、里親留学が二人、家族留学が一家族、孫戻し留学が一人。自己負担が月四万円となる里親留学には、市が二万円を助成する。家族留学にも子ども一人当たり月二万円、二人目以降は一万円を支給。孫戻し留学も月一万円の助成がある。助成期間は家族、孫戻しが二年間、里親は基本的に中学卒業まで継続する。市教委は「二、三年続け、他の島への拡大も検討したい」と語る。
 募集は十月十日から受け付け、十二月十五日締め切り。同二十五日に島で説明、面接を行う。事前に土曜授業、餅つきなどの見学会もある。(問)市教委=0599(25)1265

 (西山和宏)

 <寝屋子制度> 中学校を卒業した男子が自分の家を離れ、「寝屋親」と呼ばれる世話役の家で共同生活する制度。島の風習や規律などを学ぶ。預けられる男子を「寝屋子」と呼んでいた。答志島で古くから行われており、現在も月数回の宿泊などで受け継がれている。

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