西日本の商店5割「訪日客増えた」 本社観光調査 「雇用増やす」1割超 … – 日本経済新聞



 クルーズ船や格安航空会社(LCC)によるインバウンド(訪日外国人)の増加で、西日本の商店街店舗の5割で訪日客が増えた。日本経済新聞社が実施した初の西日本観光調査で明らかになった。店舗の1割弱で売り上げが増え、1割超が雇用増を検討するなど好影響が表れており、増加する訪日客の取り込みが地域活性化のカギを握る。

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 商店街や店舗を訪れる訪日客についてクルーズ寄港、LCC就航による効果を尋ねたところ、53%の店舗が1年前と比べて「訪日客が増えた」と回答。地区別では高知で73%、長崎で60%だった。訪日客が増え「売り上げも増えた」との回答は8%だった。

 従業員が2~5人の小規模店舗が過半数を占めたが、それでも全体の15%がパートなども含めた従業員を「増やす予定」と、「減らす予定」の2%を大幅に上回った。増やす人数は2人との回答が最も多く、平均で2.5人だった。

 今後については全体の約6割の店舗がクルーズ船の寄港増、LCCの就航増への期待を示した。このうち22%は「売り上げ増につながる」と回答。訪日客の増加が各店の経営にいい影響を与えているとの印象を抱いていることがうかがわれる。

 関西学院大学大学院の佐竹隆幸教授は地方の商店街が「訪日客を取り込む余地はいくらでもある」との見方を示す。ただ、「地方に来て、名所を見た訪日客に地元産品を『買ってもらう』工夫が問われる」と各地に共通する課題も指摘する。

■SNS 集客「効果」34%

 調査した店舗の11%が訪日客の誘客のためフェイスブックなどソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で「以前より頻繁に発信している」と回答した。SNSを「最近始めた」「近く始める」との回答した店舗と合わせると全体の2割近くに上る。

 利用しているSNSはフェイスブックが3割で最も多く、インスタグラムが2割強、ラインとツイッターが1割だった。SNSで情報発信している店舗の34%は集客効果があったと回答した。

 長崎市の繁華街、思案橋にある居酒屋「食酒処 かまど茶屋」では、牛乳とチーズを使った「オランダ鍋」が訪日客を中心に人気だ。近隣のホテルにショップカードを置いたところインスタグラムなどSNSを通じて拡散していったという。

 大阪・黒門市場の総菜店、石橋食品では4年前、英語と中国語、韓国語で「どうぞお気軽にブログやSNSに写真をアップしてください」との表示を掲げた。海外のSNSで写真が拡散した1個100円のおでんが訪日客によく売れている。

 「目当ての店があれば、訪日客はどこへでも訪ねていく」とクルーズ船による観光誘致策に詳しい大阪大学大学院の赤井伸郎教授は指摘する。訪日客を生み出す力も秘めるSNSでの発信のあり方を商店街全体で検討する価値がありそうだ。

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p class=”cmn-quote1″> 調査概要 クルーズ船の寄港数などをベースに大阪、神戸、舞鶴(京都府)、高知、長崎など西日本の10市を選び、中心市街地の代表的な商店街でそれぞれ100店舗(大阪は2カ所で200店舗)に支社支局を通じて調査票を配布。郵送などで8月10日~9月25日に回収し、日経リサーチの協力を得て回答内容を分析した。有効回答数は416、回答率は37.8%だった。




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