10代へ実りある1冊を…月いち 大学生が本屋 – 読売新聞



 ◇旭区 暗闇で販売 ワクワク感

 大阪市旭区の商店街で、客は10歳代の若者限定という、ちょっと変わった本屋が月1回営業している。推薦文がつけられた本が並ぶ店の名は「こめつぶ本屋」という。運営を担うのは大学生たちで、代表を務める徳島大4年橋本真歩さん(22)は「本を通じて、若者たちと地域住民がつながる場に育てたい」と話す。

 こめつぶ本屋は、千林商店街に隣接する「森小路京かい道商店街」で、米穀店のガレージに開店する。その販売方法は独特だ。

 客は、電気が消されて真っ暗な空間で懐中電灯の明かりをたよりに、1冊100円で買える本を探す。書棚に並ぶのは、橋本さんらが定期的に開いている、若者たちに薦めたい本を持ち寄る「寄贈本会」で集めたものだ。これまでに約70冊が集まり、店にはうち約40冊が出品され、それぞれに、寄贈した人が「薦めたい理由」を書いたメッセージが添えられている。

 こうした販売手法は、新潟市西区に昨年10月まであった「ツルハシブックス」の店主・西田卓司さん(43)が、試みていた。同店には、客が寄り合って交流できるスペースも設けられていた。

 そんな取り組みに興味を持った橋本さんが2年前に同店を訪問。西田さんから「大阪でも、同じような店を開きたい」と提案を受けたのをきっかけに、大阪にいる西田さんの知人らの協力で数人の大学生を運営スタッフとして集め、今年3月から営業を始めた。

 店名には「本や人との出会いという『一粒』から実るものがある」との思いを込めた。客を10歳代に限定したのは、「将来のことや人間関係に一番悩む時期」だから。自分自身も友人関係に悩んでいた中学生時代、重松清さんの小説「きみの友だち」に出会い、救われた経験があるという。

 「普通の本屋でお気に入りを選ぶのとは違う、ワクワク感が一番の売り。店に興味を持ってくれる人たちの輪が、本を通じて広がればうれしい」。橋本さんは、そう願っている。

 今月は30日に開店する。




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