京丹後でいま起きている、静かなるパン革命/弥栄窯 – asahi.com



 訪れたのは夏の盛り。厨房は窯の放つ熱で40℃近くにもなっている。いよいよ窯入れ。熱々の窯と向かい合う時を迎え、熱を避けるために太田さんは蛇口をひねって顔を水でぬらした。

「顔を洗って、行くぞ! という感じです」

 バヌトン(発酵かご)から顔をのぞかせるほどふくらんだ生地を、ピール(木製のオールのような道具)にのせて窯に入れる。

 やがて、パンが焼きあがる。太田さんは次々と取り出すたび指でこんこんとはじく。

「甲高い音を出すと中まで焼けているということなんです」

 ダークブラウンの焼き色をして、形がふぞろいなのがかえって個性を表すようで、どれもいい顔つき。まるで新しい生命が誕生したような感動を覚えた。

「薪窯でなかったら、僕がパン屋をやろうなんて思わなかったと思います。」




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