林文子・横浜市長 中計終え市民と一体感 待機児童対策・観光を強化 – 産経ニュース



 新春にあたって横浜市の林文子市長が産経新聞のインタビューに応じ、平成29年度までの中期4カ年計画(中計)の実績、課題を総括するとともに、次期中計のポイントや、文化・芸術のハード・ソフト両面の強化など、今後の抱負について語ってもらった。(聞き手 那須慎一)

 --中期4カ年計画の総括を

 「女性の活躍支援、高齢者福祉、市内経済活性化、臨海部と郊外部の活性化など、市民の皆さまとの約束はおおむね果たせたと考えている。中計を進めるにあたって、市職員の頑張りもあり、市民との間に一体感を持てたと感じている。例えば1年間のうちには常にイベントをしていて、全国都市緑化よこはまフェアなども身近に感じていただき、『横浜市はいいな』と思っていただけたのではないか」

 横浜経済の強靭化を

 --次期中計のポイントは

 「特に超高齢化社会が大変な勢いで進み、人口減少など継続する課題に対してしっかりとお支えし、基本的なことをやっていくということに尽きる。また、災害対策や横浜経済の強靭(きょうじん)化も重要だ。横浜の企業は99・6%が中小企業なので、活性化をさらに進めていく。企業誘致も一層進め、大企業、中小企業の仕事につなげていくほか、商店街の振興もきめ細やかにしていきたい。さらに医療介護ニーズへの対応や、要介護者支援、在宅介護者支援も進める。特別養護老人ホームについても、年間整備量を300床から600床に拡大する準備をしていく」

 --特に3期目の任期4年間で成果を上げたいものは

 「待機児童対策は4年間でしっかりと仕上げていく。また、市内経済活性化を進め、本当に強靱な基盤を4年間で作っていきたい。観光MICEに関しては、横浜はインバウンドが非常に弱く、来訪されても宿泊されない現状がある。私どものノウハウを生かしながら、三浦半島や鎌倉、箱根につなげる観光ルートも本気で構築するなどしていくことで、観光面も強化する」

 --文化・芸術の一層の推進を掲げているが、どのように取り組むか

 「昨年開催した全国都市緑化よこはまフェアの成果を継承し、発展させていくことで、緑豊かな『ガーデンシティー横浜』という、私がもっとも望んでいる姿を実現していく。その取り組みを2026(平成38)年の国際園芸博覧会招致につなげていきたい。文化・芸術に関しては、『横浜芸術アクション事業』ということで『ヨコハマトリエンナーレ』のほか、『ダンス・ダンス・ダンス アット 横浜』や『横浜音祭り』も考案した。認知度も高まり、市外からの来場者にも評判になった。もちろん、市民にとっても市民参加型ということで、大変良い事業だと思っている。今後も継続して、子供たちのための次世代育成プログラムに生かしていきたい」

 本格的な舞台芸術も

 --ハード面での考えは

 「市内で音楽・コンサートホールは2万人規模のものと1万人規模のものの建設が決まったが、本格的な舞台芸術を行えるところは市内には全くないといえる。2千席強で、本格的な伝統芸能や歌舞伎、オペラ、バレエなどができる市の施設は必要だ。市にはクラシック音楽に対応する『みなとみらいホール』があるので、新施設ができれば、全てのジャンルに対応する施設がそろう。逆に言うと、ないことは大きな痛手で、本格的に文化・芸術を推し進めるためには絶対に必要だ。施設の完成はもっと先かもしれないが、道筋を次の4カ年計画の中でつけたい。次期4カ年計画では、文化・芸術創造都市としての進行、仕上げも入れ込んで、より強力に推進していく」

 --横浜のブランド力強化に向けて今年1年、どう取り組むか

 「横浜は、住みたい街ランキングで常に上位に入ってくる。各種道路も開通して羽田空港へのアクセスも向上しており、東京よりも賃貸料金も安い。建造物や都市景観なども混ざり合い、ポテンシャルは高いと思っている。環境未来都市としても高く評価されており、さらに次の段階までいくということを、しっかりと発信していきたい。加えて待機児童対策など、自治体の中でリードして、国が後追いしてくる施策も随分あった」

 「都市が抱えている課題を抽出し、先駆けて発見しながらしっかりと検証して解消、解決していく。せっかく市民の力もあり、ボランティア人口も多いので、そうした力を形にしていくこともやっていきたい。市長就任時の市のイメージは“曇り”だったが、最近はとても空が高くなり、突き抜けて明るい印象だ。『希望』という言葉が素直に出てくる都市になったのではないか。ここから、一段と勝負をしていきたい」

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【プロフィル】はやし・ふみこ

 昭和21年5月5日生まれ。都立青山高校卒業後、東洋レーヨン(現・東レ)、松下電器産業(現・パナソニック)などに勤務。ファーレン東京(現・フォルクスワーゲンジャパン販売)社長、ダイエー会長兼最高経営責任者(CEO)、東京日産自動車販売社長などを歴任。平成21年8月の市長選で初当選し、29年7月に3選を果たした。71歳。「共感する力」など著書も多数。




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