「AIBO直しつづけてよかった」修理業者A FUNの喜び – ニコニコニュース



「AIBO直しつづけてよかった」修理業者A FUNの喜び

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 ソニーが11月1日に犬型ロボット「aibo」を発表、来年1月11日に発売する。

 本体価格19万8000円、利用料金aiboベーシックプラン9万円、aiboケアサポート5万4000円(3年間)、おもちゃ「アイボーン」3000円、総額34万4980円。かなり高価な製品にもかかわらず、1日に受付開始した予約注文分は即日完売した。

 先代ペットロボット「AIBO」は1999年に初代モデルを発売。2005年に最終モデルを発売し、2006年に生産終了、2014年にサポートを終了した。その後AIBOのサポートを続けてきたのは、元ソニー社員が設立したA FUN(ア・ファン)だ。

 ア・ファン乗松伸幸代表は、新しいaiboが登場したことをまるで我がことのように喜んでいた。「そりゃ嬉しいですよ。我々がお客さまの要望にこたえてAIBOの修理をしてきた中で、ニーズがあると判断されたわけですからね」

■メーカーの壁を超えて「日本のAI」広めて

── 新しいaiboについてはどう感じましたか。

 今度のロボットはスピードが速かったので、どういう形でオーナーと接していけるのかが気になりましたね。セブン(5代目AIBO「ERS-7」)よりリアルに犬に近づいているように見えたので、高年齢の方の癒しにはいいのかなと思います。

── aiboを普及させるには何が必要だと感じますか。

 どうマーケットをつくっていくかが大事ですよね。たとえばうちではロボットを使ったセラピー事業をやっています。ロボットを介護施設で使ったりして、高年齢の方が癒しや安心を感じてもらえるような。クラウドにつながるというのは、たんなる技術的な話であって。お客さんの感情というか琴線にふれるようなサービスができるかどうかが大事ですよね。たとえばクラウドがあることで独居老人の見守りができるとか、そうした新しいサービスができるといいんじゃないかと思います。

── 逆に、課題はどこにあると感じますか。

 これだけのものを作ってるんだから、これを1つのAI技術としてもっと共有しようという方向がほしいです。いろんなもの(ロボット)をミックスして、お客さんのニーズに合わせていく。うちは「PARLO」(富士ソフト開発のロボット)を扱っているんですが、メーカーごとに「PARLOがいい」とか「aiboがいい」というのではなく、たとえばPARLOが司会をして、aiboが踊るとか、そういう形で日本のAI全体を伸ばしてほしい。本当にリーダーシップをとるというのはそういうことだと思うんです。

── 世界市場をねらうには国内AI事業者同士の連携が必要であると。

 いろんな国のメディアからのインタビューを受けますけど、みなさんが注目するのは一般消費者の中に溶け込んでるAIが世界的に少ないことなんですよ。しかし日本では違っています。そこがアドバンテージですよね。でも、その強みを確立するためには、メーカーが協力しないといけない。もうちょっと中長期的な戦略をもっていないと、いい結果にはならないんじゃないかと思うんです。バーンとはじけるような市場は構築できないだろうと。

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■利益がすべてじゃない世界もある

── 発表会では先代AIBOのサポートはひきつづき終了という話もありました。

 そんなものはたいした話ではないんですよ。それよりふたたびaiboがスタートしたことのほうが大事でしょう。市場として終わっていたものが、ここまで動けるようになったことのほうが。メーカーにできるサポートは限界があるわけで、今後は市場が衰退したとき我々のようなところにサポートを委託することも考えられるわけですしね。世界規模でオーソライズド(認定サポート業者)をつくるという考え方もできると思います。

── もし新aiboのサポートをお願いできないかと言われたら。

 やることは全然やぶさかではないですよ。うちはお客さんの要望があればなんでもやる会社ですからね。

── A FUNはソニーのAIBO公式サポート終了からずっとサポートを続けていますね。

 最初は10台のうち1台直せればいいというところから始めましたが、もう1000台以上を直してきましたね。今では「AIBO(愛慕ドック)」といって、年に1回の健康診断をするようなシステムもつくっています。

── たしかに定期メンテナンスがあるとオーナーとしても安心できそうです。

 お客さんがどんなサービスを希望していて、自分たちに何が提供できるかを考えた結果です。お客さんと真正面に向き合うというのはそういうことだと思います。最近では修理したAIBOを引き取ってもらう「里親」制度もつくりました。「自分のところで動かしてみたい」という人には提供しますが、引き取ってすぐオークションに出してしまうような人には渡さないようにしています。

── オーナーだけでなく製品であるAIBOそのもののことも考えられているんですね。もはや企業利益を超えたものを感じます。

 いままでの常識で考えたら利益を確保しなきゃいけないのかもしれないけど、あの世に利益はもっていけないですからね。わたしもあと20年で死ぬ身ですよ。一度心筋梗塞で死にかけたことがありましてね。そこでもう会社のために人生を費やすのはやめたんです。いま孫が2人いるのですが、こういうじいさんがいたんだと知ってもらいたい。ようわからんじいさんがいたんだと、それを知ってもらえただけで、わたしは十分ハッピーです。

── 今後ア・ファンはどんな活動をしたいと思っていますか。

 AIを使って、医療施設、介護施設、高齢者施設に安らぎや幸せを与えるような活動をしていきたいと思ってます。「ア・ファンロボティクス」というんですけど。ファンは幸せ、夢です。いろんな会社の人が夢に参画して、「こんなものがいいよね」というマーケットを作っていく、そういう活動をしたいと。AI業者さんのたまり場をつくって、みなさんの得意分野を生かしたような市場づくりをしていけたらと思っていますね。

── その中に先代AIBOと新しいaiboも入っていくのでしょうか。

 アイボを起爆剤として、ソニーの根底に流れている、モノづくりにかける血湧き肉踊るような感情をふたたびマーケットに出すことができればいいのかなと。それさえできたなら、われわれは力惜しみなく協力していきたいと思ってます。




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